不毛地帯のキャストとあらすじ
原作は、山崎豊子「不毛地帯」。
終戦から復興を目指していた高度成長期の日本。第二次大戦中は軍の最高統帥機関の大本営の参謀だった壹岐正は、終戦後11年もシベリアに抑留された。
帰国後、総合商社に入社し第2の人生を送ることになる。
仕事で成功し出世街道を進む反面、戦争体験という過去との葛藤と戦っていた。
心が震えるような唐沢寿明の絶望と怒りの演技に注目!
戦争体験により多くのものを失い、経済成長と共に自分の人生も取り戻そうとするが、消えぬ傷との葛藤していく男の人生を描いています。
戦争という重いテーマは、戦争を経験していない私には想像の域を越えられませんが、唐沢寿明さんの苦悶の演技は、心をギュッと捕まれたような痛みを視聴者に与えたと思います。
11年もシベリアの極寒の環境の中で、強制労働をさせられていた記憶は、ずっと壹岐を苦しめ続けます。
戦争って酷いなと感じて、こういうドラマが無ければ、戦争に対して感心を持つことも無かっただろうと、自分の危機感の無さが恥ずかしく思えました。
シベリアでの記憶は辛すぎて、ビジネスチャンスを棒に振っても、2度と訪れたくないと拒否反応を起こします。
そのシーンは観てる私も心がぎゅーっとつかまれたように、苦しくて涙が出ました。
11年という時間は、心が壊れるには十分過ぎる時間だと思います。
商社に入ってからは、ビジネスという戦争に身を投じていきます。
ライバルが遠藤憲一さんが演じる鮫島です。二人はし烈な戦いを繰り広げます。
時には勝ったり負けたりします。でもライバルであり、戦友だった事がラストで感じられます。
壹岐が仕事を辞めて去るのですが、空港へ現れて叫ぶシーンが凄く良かったです。
「まだ勝負ついてないぞ!」
「壹岐正を倒せるのは、この鮫島だけだ!」
「辞めるなー!辞めんじゃないぞー!辞めるなよ!」
鮫島は心の中で、ライバルだけど壹岐を認めていたんだな…と。このシーンは泣けました。
鮫島の言葉は引き留めているようであり、エールを送っているようでもありました。
戦争関連のドラマや映画は苦手で、ずっと避けていましたが、観て良かったと思います。
この時代の人が居なかったら、今の私たちは居ないかもしれませんね。
フジテレビのFODで観られるとは思って無かったので、これからも良い作品があるかチェックしたいと思います。