袖
皆さんは「袖」というと、洋服の腕を通す部分を思い浮かべると思います。
もしくは「袖にする」という言葉から、異性から言い寄られて冷たくあしらう様を想像した人もいるかもしれませんね。
また「門の袖」で、門の脇の場所かな?と思った人もいるかもしれません。
業界用語(隠語)にも「袖」という言葉があります。
袖の意味
芸能界の業界用語(隠語)で「袖」は、舞台の端の上手と下手の客席から見えない部分の事を言います。
舞台の上手と下手に吊り下げられた幕で、舞台裏の物がお客さんから見えてしまうのを防ぐものです。
幕ではなく、パネルなどで代用する事もあります。
関西地方では「かすみ」とも言います。
舞台の大きさによって袖幕の数は違います。
大きい舞台では袖幕が数本あり、舞台前から「1袖」「2袖」「3袖」と数えます。
袖幕は、舞台奥に行くほど長くなっており、客席から袖中が見えないように配慮されています。
かぶりつきと呼ばれる最前列の客席前方の上下(かみしも)の場所は、お客さんから対角線上の袖中が見えてしまう場合があります。
そうならないように、開演前に袖幕の調整を入念に行われます。
袖中は、舞台に明かりが漏れないようにする為に、真っ暗になっている状態です。
明るい舞台から袖中へ移動すると、その明暗の差で目が慣れずに周りが見えなくなり、新人の俳優たちは苦労するようです。
舞台の幕は思ったより沢山の種類があります。
・ホリゾント幕
・大黒幕
・水引幕
・袖幕(源氏幕、脇幕、見切幕)
・暗転幕
・一文字幕(水引幕、霞幕)
・紗幕
・道具幕(波幕、網代幕、浅葱幕、かすみ幕、雲幕)
・背景幕(ドロップ)
・揚げ幕
袖の使い方
ここでは「袖」の使い方をご紹介します。
①「袖が見えているから、長さを調節するように裏方に指示を出した」
→舞台裏が見えているから、長さを調節するように裏方に指示を出した。
②「袖に入ったら、一瞬目の前が真っ暗になり転んでしまった」
→舞台裏に入ったら、一瞬目の前が真っ暗になり転んでしまった。